UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

UA値は住宅の内部から外部に逃げる熱量を表す指標で、UA値が小さいほど断熱性能が高い家と判断できます。

しかし、目安となる数値がわからなければ断熱性能を比較検討することができません。

本記事では高気密高断熱な家づくりを目指す方に向けて、UA値の目安や推奨する断熱等級について解説します。

 

 

 

UA値の目安とは?どれくらい必要なのか

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

快適な住まいを実現するには、住宅が「高断熱」であることが欠かせません。まずは断熱性能を比較検討するのに役立つ、UA値の目安について解説します。

 

UA値の最低基準は0.87以下

2024年現在の省エネ基準の目安となるのは、平成28年に定められた「H28省エネ基準」です。エリアごとに基準が設けられており、福岡であればUA値0.87以下に設定されています。

ただし、基準が設けられているものの「一定のUA値を満たす家を建築しなければいけない」といった強制力のあるルールは設けられていないため、UA値0.87値を満たす住宅はまだ少ないのが実状です。

 

UA値0.87でもZEHには遠い

現行の省エネ基準ではUA値0.87以下が一つの目安にはなるものの、0.87を切る程度のUA値では「次世代の省エネ住宅」にはなりません。

より大きな省エネ効果を期待するのであれば、最低でもZEH(ゼッチ)の省エネ基準に則ったUA値0.60以下になるように、住宅を建築するべきでしょう。

 

2025年にUA値0.87以下が義務化へ

2025年から、全ての新築住宅に「H28省エネ基準(断熱等級4)」の断熱性能が義務付けられます。

それにより、2022年3月時点で最高等級だった断熱等級4のUA値0.87は、2025年以降『最低基準』となります。

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級このことからも、これから家を建てる場合には、どんなに悪くてもUA値0.87以下をクリアする必要があります。

 

UA値は地域によって異なる

日本は南北に細長い地形で高低差が大きく、地域によって気候が大きく異なります。そのため、省エネ基準で定められているUA値が地域によって異なります。UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

UA値0.87は、日本の中でも非常に多くの地域で省エネ基準となっている数値です。

しかし、北海道などの寒冷な地域では、省エネ基準のUA値は0.46とされています。

これから家を建てる際には、その地域の省エネ基準を満たすUA値がいくらなのかを確認した上で、計画を立てるようにしましょう。

 

 

ZEHの省エネ基準とは

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

ZEH(ゼッチ)の省エネ基準とは、「住宅の断熱機能や省エネ性能を向上するとともに、太陽光発電などでの自家発電を実現することで、年間の一次消費エネルギーをゼロ以下にすること」を目的として設けられた基準です。

ZEHの省エネ基準では、下記の3つの要素において一定の基準を満たすことが求められています。

●断熱
地域ごとに定められたUA値。福岡の断熱性能基準はUA値0.6。

●省エネ
省エネ性能の高い設備を導入し、一次エネルギーの消費量を従来よりも20%以上削減する。
特に「空調」「照明」「給湯」「換気」の4項目は必ず基準を満たしたものを使用する。

●創エネ
太陽光発電や家庭用燃料電池の導入によって、エネルギーを創り出せる設備を設けること。

 

ZEHの省エネ基準をクリアすると、部屋全体の温度差が小さくなる事などによって快適性が増します。さらに、災害時に自家発電を行なえるため、電気などが使用可能になるなどのメリットがあります。

 

 

どの程度のUA値を求めるのが正解?

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

続いて、これから家を建てる場合にどの程度のUA値を求めるべきかについて解説します。

求めるべきUA値の基準として、下記の2点について押さえておくことが大切です。

●最低でもZEH基準「UA値0.6以下」を推奨
●住む地域と家族に合わせたUA値で建築することがポイント

それぞれ順番に解説します。

 

最低でもZEH基準「UA値0.60」以下を推奨

国は、ZEHロードマップにおいて「2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現」の達成を掲げています。つまり、今後はZEH性能の住宅が当たり前になるのです。

福岡では0.87が次世代省エネルギー基準、そして0.6がZEH基準のUA値となります。

数十年後にも価値ある快適な家とするためには、最低でもZEH基準の家を建てる事を推奨します。

 

住む地域と家族に合わせたUA値で建築することがポイント

どれほどの高断熱住宅にするべきかは、家を建てる地域や予算によって異なります。

UA値が0.4を下回るレベルになれば断熱性能はグッと高まります。しかし、比較的暖かい福岡ではオーバースペックになってしまう場合もあります。

福岡工務店は地場の工務店として福岡の気候やコストパフォーマンスを考え、UA値0.46を標準の断熱性能としています。ただし、寒さが苦手という方であれば、さらに高断熱な住宅を選択するのも良いでしょう。

 

福岡工務店のUA値

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

福岡工務店が建てる住宅の標準UA値は0.46(HEAT20-G2グレード)です。

これは、福岡よりも遥かに冬の寒さが厳しい北海道の基準と同じで、国が住宅性能の標準として目指すZEHよりも優れたUA値です。

さらに、福岡工務店は2024年現在の最高等級、断熱等級7【UA値0.26】の家づくりにも対応しています。

 

 

 

断熱等級とは

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

断熱等級とは、「住宅の品質確保の促進などに関する法律」によって規定された、省エネ性能を表す基準です。

断熱等級には7つの等級があるものの、2025年には断熱等級4以上が義務化されるため、2024年現在の現実的な断熱等級は下記の4つです。

●断熱等級4
●断熱等級5
●断熱等級6
●断熱等級7

ここからは、従来から断熱等級として採用されている、「断熱等級4」と、2022年に新設された断熱等級5~7について解説します。

 

断熱等級4【2025年からの最低基準】

断熱等級4はUA値0.87です。

今後の新築住宅の最低ラインとなる基準ではありますが、これまで断熱性能が義務化されてこなかったため、この基準すらクリアしていない住宅が日本には非常に多く建っています。

そのため、一昔前の住宅に住んでいる方が断熱等級4の家を訪れると、冷暖房の効きの良さに驚かれることも少なくありません。

2022年までは最高等級だった断熱等級4ですが、これからは住宅の最低基準として当たり前の断熱性能になっていくでしょう。

 

断熱等級5【ZEH・長期優良住宅の基準】

断熱等級5は2022年4月に新設された等級でUA値は0.6以下、ZEH相当の断熱性能となります。断熱等級5の新設に伴って、2022年10月からは長期優良住宅の断熱基準が断熱等級4から5に引き上げられました。

ZEHや長期優良住宅の基準になっていることから考えても、国が推奨する住宅性能のスタンダードは断熱等級5と言えるでしょう。

 

断熱等級6・7【一歩先行く基準】

断熱等級6・7は2022年10月に新設された等級です。

UA値は断熱等級6で0.46以下、最高ランクの断熱等級7で0.26以下です。

このレベルになると、かなり暖かい家となります。

暖房を付けなくても断熱等級6で「おおむね13℃を下回らない」、断熱等級7で「おおむね15℃を下回らない」と言われています。

真に快適な家を目指す方のための一歩先行く高性能な基準で、福岡工務店の標準的な仕様でもあります。

 

 

快適に暮らせるUA値と断熱性能5つのポイント

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

これから家を新築する方で、快適に暮らせる高性能な家づくりを行ないたいとお考えの方は、以下の5つのポイントをしっかりとご確認ください。

●最低でもZEH基準をクリアする
●高性能な断熱材を使用する
●床下は基礎断熱にする
●玄関ドアはD2・K2
●C値(気密値)も重要

それぞれ詳しくご説明します。

 

最低でもZEHや長期優良住宅の基準をクリアする

これから住宅性能にこだわって家を建てる場合には、最低でもZEH基準の断熱性能である『UA値0.6以下』を目指しましょう。

もちろん、UA値0.87以下であれば2025年時点では問題の無い住宅ですが、UA値を0.6以下にしておかなければ、税制優遇のある長期優良住宅の認定も取得できません。

 

高性能な断熱材を使用する

夏の暑さ対策として、太陽の熱を遮断することが非常に重要です。屋根の断熱性能が低いと、直射日光の熱が室内に入り込んでしまい、室内の温度が非常に上がりやすくなります。

そのため、屋根の断熱材には壁の2倍の厚みがあるものを使用するか、高性能な断熱材を使用するべきです。そうすることで真夏でも涼しい部屋を実現しやすくなります。

福岡工務店では、キューワンボードと呼ばれる遮熱性能を兼ね備えた高性能な断熱材を使用しています。

 

床下は基礎断熱にする

断熱は夏の暑さ対策だけではなく、冬の寒さ対策にも直結します。特に、床の断熱は冬の過ごしやすさに直結しており、断熱が不十分だと床冷えし足元が寒くなってしまうのです。

床下の断熱には、床断熱と基礎断熱の2種類がありますが、福岡工務店では基礎断熱にすることを推奨します。

まず床断熱では、床下に冷たい空気が流れ込むことになるので、結果として床冷えしやすくなってしまいます。一方、基礎断熱では外気が床下に流れ込まないため、床冷えが起きません。

基礎断熱であれば床暖房は不要なうえ、エアコン1台で家全体を温められるようになるため冬の光熱費を大幅に削減できます。

 

玄関ドアはD2・K2

断熱と言うと壁や天井・床に目が行きがちですが、玄関のドアも高断熱な家をつくるのに重要です。天井などの断熱性が高くなると、玄関や窓からの熱の出入りが多くなります。

そのため、ドアや窓も十分な断熱性能でなければアンバランスな家になってしまいます。

玄関ドアにも様々な種類がありますが、断熱性能を備えた上でコストパフォーマンスが高い「D2・K2」を選ぶと良いでしょう。

「D2」「K2」とはドアの断熱性能を表す表記で、北海道や東北地方など寒冷地に住まわれている方に推奨される水準の断熱性能です。

D3・K3やD4・K4とは違い、熱が逃げることや冷暖房の無駄を防ぎ、省エネにも貢献します。

福岡工務店はD2・K2の玄関ドアが標準仕様です。

 

C値(気密値)も重要

「高気密高断熱」とセットで言われるように高断熱な家の性能を十分に引き出すには「高気密」であることが必須です。

どんなに断熱性能の高い建材を使用しても、気密性能が悪いすき間だらけの家では本来の力を発揮できません。室内で調整した快適な空気が逃げたり、外からすきま風が入ってきたりするからです。

住宅性能にこだわる方は絶対に建築会社が実現可能なC値(気密値)も確認してください。福岡工務店では、最低でも【C値=0.7㎠/㎡以下】の高気密をお勧めします。

詳しくは「家の気密性能を示すC値」のページをご覧ください。

 

 

まとめ

UA値の目安とは?推奨レベルと断熱等級

本記事ではUA値の目安や推奨する断熱等級について解説しました。

快適な住生活を送る上で、断熱性を高めることは必須条件です。これから住宅を建築する際には、快適性はもちろん、将来の資産としての視点からもZEH基準であるUA値0.6以下とすることを強くお勧めします。

また、高断熱を活かすためには高気密であることも欠かせません。高気密な家づくりには、知識と技術力を兼ね備えた工務店に依頼することが重要です。

福岡工務店は、創業時から高性能住宅にこだわって建築を続け、全国で唯一3つ星+1の技術力評価も受けています。

快適に暮らせる高断熱な家を建てたいという方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。