30坪の土地に家を建てる場合の費用の目安【間取りの取り方も併せて解説】
家を建てることを検討している方の中には、土地の広さをベースに費用や間取りを検討しているという方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、30坪の土地に家を建てる場合に費用はいくらかかるのか、30坪の土地に建てられる家の広さや間取りの取り方をわかりやすく解説します。
目次
30坪の土地に建てられる家の広さ
まず、30坪の土地に延床面積が何坪程度の家を建てられるのか見てみましょう。30坪の土地に何坪の家が建てられるのかを理解するには、「建ぺい率」と「容積率」について抑えておく必要があります。
建ぺい率
建ぺい率とは、「その土地の何%を建物の面積として使えるか」を定めたものです。簡単に言うと、敷地面積を真上から見たときの建物の広さの割合です。
建ぺい率は「建築面積÷敷地面積×100」という式で求められます。エリアによって異なりますが、住宅建築用の土地の建ぺい率は、おおよそ30%~80%となっています。
容積率
容積率とは、「その土地に建築できる建物の延床面積」を定めたものです。2階建であれば、1階と2階の床面積の合計が延床面積となります。
容積率は「延床面積÷敷地面積×100」という式で求められます。エリアによって異なりますが、住宅建築用の土地の容積率は、おおよそ50%~500%となっています。
30坪の土地に建てられる家の最大坪数
今回、土地の広さ30坪に対して建ぺい率60%・容積率200%で計算してみます。
建築可能な延床面積
●敷地面積30坪×容積率200%=60坪
容積率を基準に計算をすると、建築可能な延床面積は60坪となります。しかし、ここで注意が必要なのが建ぺい率で割り出されるワンフロアの床面積です。
ワンフロアの床面積
●敷地面積30坪×建ぺい率60%=18坪
建ぺい率を基準に計算をすると、ワンフロアの最大の床面積は18坪となります。ワンフロアの最大の床面積が18坪ということは、2階建てであれば36坪、3階建てであれば54坪となります。
実際は他の規定も考慮する必要があり、同じ床面積を積み重ねることも稀ですが、建ぺい率を最大に活かして3階建ての家を建てても、容積率200%の60坪には至りません。最大の床面積より少し小さくなると考えておくと良いでしょう。
快適な暮らしに必要な家の広さ
豊かな生活を送るための家の広さの指標として、国土交通省より住生活基本計画というものが示されています。その中に、健康で文化的な住生活には不可欠な居住面積を示す「最低居住面積水準」と、豊かな住生活の実現に必要な居住面積を示す「誘導居住面積水準」があります。また、誘導居住面積水準は「都市居住型」と「一般型」に分かれます。
●都市居住型:都心とその周辺での共同住宅居住を想定
●一般型:郊外や都市部以外での戸建て住宅居住を想定
戸建ての建築をご検討中の方は、誘導居住面積水準(一般型)をご参考ください。それぞれの面積水準を求める式は以下のようになります。
基準 | 単身者 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
最低居住面積水準 | 25㎡(約7.56坪) | 10㎡×世帯人数+10㎡ |
誘導居住面積水準(都市居住型) | 40㎡(約12.1坪) | 20㎡×世帯人数+15㎡ |
誘導居住面積水準(一般型) | 55㎡(約16.6坪) | 25㎡×世帯人数+25㎡ |
3人家族の場合
基準 | 3人世帯 | 算出される面積 |
---|---|---|
最低居住面積水準 | 10㎡×3+10㎡ | 40㎡(約12.1坪) |
誘導居住面積水準(都市居住型) | 20㎡×3+15㎡ | 75㎡(約22.6坪) |
誘導居住面積水準(一般型) | 25㎡×3+25㎡ | 100㎡(約30.3坪) |
4人家族の場合
基準 | 4人世帯 | 算出される面積 |
---|---|---|
最低居住面積水準 | 10㎡×4+10㎡ | 50㎡(約15.1坪) |
誘導居住面積水準(都市居住型) | 20㎡×4+15㎡ | 95㎡(約28.7坪) |
誘導居住面積水準(一般型) | 25㎡×4+25㎡ | 125㎡(約37.8坪) |
5人家族の場合
基準 | 5人世帯 | 算出される面積 |
---|---|---|
最低居住面積水準 | 10㎡×5+10㎡ | 60㎡(約18.2坪) |
誘導居住面積水準(都市居住型) | 20㎡×5+15㎡ | 115㎡(約34.8坪) |
誘導居住面積水準(一般型) | 25㎡×5+25㎡ | 150㎡(約45.4坪) |
上記の内容から、3人世帯で約30坪、4人世帯で約38坪、5人世帯で約45坪が豊かな住生活を実現するのに必要な広さの目安となることがわかります。
30坪の土地に家を建てる際の居住人数
ここまで、30坪の土地に建築可能な延床面積や、家族が快適に暮らすために必要な住宅の広さを解説しましたが、それらのことから、30坪の土地に家を建てる場合、何人で暮らすのが現実的なのかご説明します。
2階建ての場合
●2階建てで建築可能な延床面積:36坪
誘導居住面積水準(一般型)に照らし合わせると、3人世帯が適していることがわかります。
3階建ての場合
●3階建てで建築可能な延床面積:54坪
誘導居住面積水準(一般型)に照らし合わせると、4~6人世帯が適していることがわかります。
30坪の土地に家を建てる際の間取り
30坪の土地に家を建てる際、どのような間取りが実現できるかについては、土地の建ぺい率や容積率によって異なります。建ぺい率60%・容積率200%の土地で快適に暮らせる家を建てるには、以下のようになると考えて良いでしょう。
延床面積36坪の2階建て:3LDK~5LDK
延床面積が36坪の家を建てる場合、ゆとりをもって暮らせる人数は3~4人程度です。間取りとしては、ゆったりとした広さを感じられる3LDK~4LDK、居室をコンパクトに収めた5LDKまでは実現できるでしょう。
延床面積54坪の3階建て:5LDK+α
延床面積が54坪の家を建てる場合、ゆとりをもって暮らせる人数は4~6人程度です。間取りとしては、5LDKでもゆったりとした広さを感じられ、ゲストルームやホームシアターを設けることが可能です。また、吹き抜けを設けてもウォークインクローゼットやパントリーなどの収納をしっかりと設けることもできます。
延床面積36坪というのは、福岡県の平均的な注文住宅の広さである38坪と畳4枚分程度しか広さが変わらず、ほぼ「一般的な広さの家」と言えるでしょう。4人世帯までであれば、設計の自由度が高い建築会社に依頼することで、日々暮らしやすさを感じられる家を建てられるでしょう。
30坪の土地に家を建てる際の費用
最後に、30坪の土地に家を建てる際の費用の目安を見てみましょう。上記の表は、工務店やハウスメーカーが建築する注文住宅の坪単価のイメージを整理したものです。この坪単価のイメージを2階建て・3階建ての延床面積に当てはめると以下になります。
工務店②ローコストの費用【2階建て】
●36坪×40万円~70万円=1440万円~2520万円
工務店②ローコストの費用【3階建て】
●54坪×40万円~70万円=2160万円~3780万円
工務店⑤高性能住宅の費用【2階建て】
●36坪×60万円~90万円=2160万円~3240万円
工務店⑤高性能住宅の費用【3階建て】
●54坪×60万円~90万円=3240万円~4860万円
大手HM②注文住宅の費用【2階建て】
●36坪×70万円~120万円=2520万円~4320万円
大手HM②注文住宅の費用【3階建て】
●54坪×70万円~120万円=3780万円~6480万円
あくまで単純計算した費用であり、各建築会社や仕様によって実際の費用は異なります。また、注意が必要なのは「坪単価の計算方法は会社によって異なる場合がある」という点です。
詳しくは、「注文住宅の価格を正しく知る方法【坪単価にはカラクリがあるため要注意】」のページをご覧ください。
まとめ
本記事では、30坪の土地に家を建てる場合に費用はいくらかかるのか、30坪の土地に建てれる家の広さや間取りの取り方をわかりやすく解説しました。
30坪の土地は、3~4人世帯向けのややコンパクトな敷地と言えます。しかし、3階建てであれば、5LDK+αの間取りも可能になり6~7人で暮らすこともできます。
ただし、建物が広くなればそれだけ建築費用も高額になります。そこで、設計の自由度が高い建築会社に依頼することで、限られたスペースを有効活用でき、建築費用を抑えながらゆったりと暮らせる良い家にできるでしょう。
福岡工務店では、お客様の想いをプランナーが直接ヒアリングし、住まうご家族に合わせて設計する「完全自由設計」の家づくりにこだわっています。限られた敷地でも収納などはしっかりと確保し、ゆったりと暮らせる家を建てたいとお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。