【資金計画のポイント】無理のない住宅ローンの考え方
資金計画の際には、住宅を購入するための資金について考えるのも大切です。
しかしそれ以上に、生涯にわたって無理なく住宅ローンを返済し、家族が幸せに暮らせることが重要です。そこで、住宅ローンが大きなカギを握ります。
本記事では、末永く幸せに暮らせる家づくりのために、資金計画の中でも「無理のない住宅ローン」の考え方について詳しく解説します。
住宅ローンとは
住宅ローンは家を建てたり購入したりする際に金融機関から借りるローンで、
です。住宅ローンは、住宅購入者の約8割が利用すると言われています。近年話題に上がることも多いですが、投資用の不動産の購入には利用できないため注意してください。
変動金利であれば金利が0.29%~の商品があり、自動車ローンや教育ローンなど様々なローンと比較して金利が低いのが特徴です。(2024年5月現在)
【資金計画のポイント】無理のない住宅ローンとは
「あなたは、収入の何割までなら無理なく住宅ローンを支払えますか?」と聞かれても、人によって価値観が異なるため、答えは様々でしょう。
一般的な「無理のない住宅ローン」を考えるには、以下の3つのポイントが重要です。
それぞれ詳しくご説明します。
【資金計画のポイント】年収にあった住宅ローン借入
住宅ローンが返済できないことによる破産などを防ぐために、住宅ローンの借入可能額は世帯の年収に応じてある程度決まっています。年収ごとの借入可能額の目安となるのは返済負担率です。
年収負担率とは
年収負担率は、年収に占める年間のローン返済の割合のことです。一般的に借入可能なローンは年収負担率35%までと言われています。
年収別に年収負担率35%の場合の年間住宅ローン返済額を算出すると、以下のようになります。
仮に4000万円の住宅ローンを金利0.7%、35年ローンで借りると、1年間の返済額は約129万円、月々の返済額は約10.7万円となります。
計算上は年収400万円の方であれば、4000万円の借入が可能なようです。しかし、年収負担率には自動車ローンや教育ローン、カードローンなども含まれます。
自動車ローンの支払いも含めれば、年収400万円の方が4000万円を借りると、年収負担率をオーバーすると考えるのが自然でしょう。
無理のない年収負担率
一般的に無理なく支払える年収負担率は20~25%程度と言われています。改めて、20%・25%の場合で年間住宅ローン返済額を算出してみましょう。
【年収負担率20%の場合】
【年収負担率25%の場合】
年収負担率が20%~25%程度になると自動車ローンを合わせても多くの場合、年収負担率は35%を下回るのではないでしょうか。
このように、他のローン等が無ければ借入可能な年収負担率は35%程度ですが、「住宅ローンを無理なく支払う」という視点で言えば、20~25%程度に抑える事が望ましいと言えるでしょう。
【資金計画のポイント】住宅ローン金利の変化を考える
続いては、住宅ローン金利について考えていきます。住宅ローンの金利タイプは大きく分けると「変動金利」と「固定金利」に分けられます。
変動金利は、半年ごとに金利の見直しが行なわれ、その名の通り金利が変動する住宅ローンです。対して固定金利は、35年に代表されるように一定の期間金利が変わらない住宅ローンです。
基本的に変動金利の方が金利は低く設定されており、2024年現在【変動金利が0.29%~】【固定金利が1.19%~】となっています。
超低金利と言われるほど金利が低いため、
※住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2023年4月調査)」より
金利による返済額の変化
変動金利を利用する上で重要になるのが、住宅ローン金利の変化(上昇)を考えておくことです。そこで、4000万円の住宅ローンを35年返済で借りると想定し、金利が0.5%・1.0%・2%の場合に支払額がどのように変化するかシミュレーションしてみます。(元利均等返済、ボーナス返済なし)
このように4000万円の住宅ローンを借り入れた場合、金利が0.5%上昇すると毎月の返済額は1万円程度上がり、1.5%上昇すると約3万円程度も上がります。
変動金利で借入可能な額の上限まで借り入れていた場合、金利が上昇すると返済が難しくなってしまうのが想像できると思います。
このことからも無理のない住宅ローンには、金利の変化や上昇を考慮しておく必要があるのです。
【資金計画のポイント】年収が変化しても支払えるか考える
無理のない住宅ローンを考える最後のポイントは、世帯の年収が変化しても住宅ローンの返済を続けられるかです。
定年後の支払い
住宅ローンの返済期間は35年が一般的ですが、50年という長期の商品も出ています。いずれも80歳までに完済する事が一般的な条件となっていますが、2024年現在は60歳または65歳程度で定年となります。
60歳以降も返済を続ける想定で住宅ローンを組む場合、定年後にどのようにして支払いを続けていくのか考えておきましょう。
出産・育児への対応
また、定年までに住宅ローンを完済できる若い世帯の場合にも、子どもの出産・育児によって一時的に世帯年収が低下する可能性があります。また、子どもの教育費などについても考えておく必要があります。
ペアローンや収入合算によって、個人で住宅ローンを組むよりも借入金額を増やすことが可能です。しかし、どちらか一方が働けなくなった場合にも返済を続けられるかしっかりと考えておきましょう。
住宅ローンの返済は基本的に数十年単位の長いものとなります。定年や出産・育児、あまり考えたくはない事故など、万が一の際にも返済を続けられるか考えておくことが重要です。
【資金計画】住宅ローン金額ごとの返済額はシミュレーション可能
各種金融機関が提供している住宅ローンシミュレーションでは、毎月の返済額から借入可能額を調べることも可能です。
以下の計算式で年収負担率を基にした毎月の返済額を計算し、20%~25%程度を目安として「あなたにとって無理のない住宅ローン金額」を算出してみましょう。
※さらに12で割れば、無理のない月々の住宅ローン返済額が算出できます。
【資金計画】住宅ローン借入可能額が希望額に満たない場合
もし、住宅ローンシミュレーションの結果、希望する金額に達していない場合には「頭金を用意する」「物件を見直す」などの対応が必要になるでしょう。
頭金は「夫婦で貯蓄をして用意する」「親からの援助を受ける」などの方法があります。
2024年現在、高性能な住宅で一定の要件を満たす場合「1000万円までの住宅取得資金の援助が非課税になる」措置が取られており、
しています。
このように、近年は国も住宅の高性能化を推し進めていることもあり、高性能な住宅には税制優遇や補助金など様々な優遇が用意されています。
「無理なく支払える」ということが大前提ではありますが、住宅性能の差は優遇や月々の光熱費にも大きな影響を及ぼします。
一生に一度の家づくり、住宅のデザインも重要で気になる部分だと思いますが、光熱費の低減を含む多くのメリットを受けるためにも、住宅の性能にも目を向けていただきたいと考えています。
まとめ
本記事では、資金計画の中でも「無理のない住宅ローンの考え方」について詳しく解説しました。
無理のない住宅ローンを組むためには「年収にあった借入額」「住宅ローン金利の変化」「年収の変化」などについて考えておく必要があります。
資金計画は「家を建てるため」ではなく「一生涯を家族と幸せに暮らすため」にあります。この機会に、住宅も含めて長期的なライフプランについて考えてみてはいかがでしょうか。
福岡工務店では、無理のない住宅ローンの返済や資金計画ができるように、ファイナンシャルプランナーのご紹介を行っております。
「理想の家があるけど建築資金が不安」という方も、ぜひ一度福岡工務店へご相談ください。
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